乗用車/バン/SUVタイヤ

タンポポ天然ゴムで初の自動車タイヤを試作

15/09/2015
  • タンポポ由来天然ゴムの防振テクノロジーに関するテスト
  • より短い輸送距離、市場価格変動の影響からの高い独立性
  • 5~10年以内で量産体制が可能に

 

製品特性は同じですが、品質は高く、一つの技術革新です。フランクフルトで開催された国際モーターショー(IAA)で、ContiTechは初めてタンポポの根から作った天然ゴムで出来たエンジンマウントを一般公開しました。数年以内には量産体制が整うものと思われます。「最初のテスト結果は非常に期待が持てるものでした。今後の大きなチャレンジの一つは、産業規模でこの素材を生産することです。」とContiTech Vibration Controlでタンポポの根から作る天然ゴムの研究を主導するアンナ・ミシウン博士は語りました。

技術革新への第一歩:タンポポの根由来のゴムから作られたエンジンマウント

代替の原料が供給ルートを短縮

なぜContiTechは同じ製品を開発するための研究に多額の投資費用を投じるのか。これまで、伝統的な天然ゴムはもっぱら”ラバー・ベルト”として知られる世界の熱帯雨林地域のゴム園で生産されて来ました。輸送距離が非常に長いものの現状では他に方法はありません。しかし、もしタンポポの根から作られた天然ゴムで同じパフォーマンス特性が得られるのであれば、この状況を大きく変えることができます。「もし実現した場合は環境面への改善が期待でき、同時に市場価格の変動が激しい従来の天然ゴムへの依存が軽減されるでしょう。タンポポは農業に適さないとされてきた耕作限界地域や温暖な気候の地域でも栽培が可能です。これは熱帯の国々からの輸送を不要なものとし、原材料のCO2排出量抑制に貢献するはずです。」とアンナ・ミシウン博士はいいます。「また、世界の天然ゴムの需要は増加しています。環境に優しいタンポポ由来のこの代替策により、ゴム需要の逼迫を緩和することに一役買うことも期待されます。」

 

自動車の取り付け部品を他のアプリケーションへの対応を可能とすると同時に、その部品を耐久性のあるものにするため、ContiTechはギアボックスとエンジンマウントに天然ゴムを採用しています。エンジンマウントは駆動装置を車体に取り付けるための部品です。静的荷重を支え持ち、固体伝搬音を遮断、エンジンを固定し事故の際にエンジンが外れることを防ぎます。さらに、道路から受ける振動や衝撃を吸収する機能も持っています。「エンジンマウントに求められるものはタイヤに対するものとは全く異なります。例えば、高温での大きな動的荷重への対応です。我々の開発視点はタイヤ開発事業とは異なりますが、同時に、コンチネンタル・コーポレーション内で研究シナジーを生み出す多くのきっかけでもあるのです」とミシウン博士は語ります。

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高品質基準に制限なし

タンポポの根由来の天然ゴムはコンチネンタルのタイヤ部門が作成したプロトタイプですでに実証済みです。「タンポポをゴムの資源として利用することは、高い品質基準や性能への妥協なしにタイヤ生産をより環境に優しいものにします」とコンチネンタルで将来性豊かなタンポポ研究開発プロジェクトを率いるカルラ・レッカー博士は語ります。フラウンホーファー分子生物学および応用生態学(IME)研究機構、ユリウス・クーン研究所そして品種育成企業であるエースクラップとコンチネンタルは共同し、タンポポから可能な限り高品質なゴムを採取する方法を研究しています。このプロジェクトの構想はすでに多くの賞を授賞しており、2014年5月には欧州における環境およびビジネスで最も栄誉あるGreenTec Award(自動車部門)に選出されました。2015年6月にはこのプロジェクトを率いる研究者たちに名誉あるJoseph von Fraunhofer Prizeが授与されています。

タイヤ、またはエンジンマウント用途で、5〜10年以内の実用化が期待されています。

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コミュニケーション 宮川

コンチネンタルタイヤ・ジャパン㈱