ノコギリ刃のような摩耗は通常のサスペンション設定も起こります。トレッド上でさまざまな方向にねじれの力がかかるためですが、見た目や走行音でその兆候がわかります。これを説明するには、まず「トレッドデザイン」について説明しましょう。
トレッドの溝やサイプは、ウエット道路や冠水した道路の安全を確保するためには絶対不可欠です。 特にロープロファイルタイヤの場合、排水性や耐ハイドロプレーニング性能を向上させるために、溝の構造が重要な役割を果たします。側面にある排水のためのこの溝については、通常の走行(一定速度での長距離走行)でも摩耗してしまう可能性があります。
また、タイヤが路面に沿って転がると、溝の角が地面と接触して変形、圧縮されてしまうことがあります。ブロックが地面と触れなくなってしまうとその表面を元の形に削りながら走行することになります。
その結果、タイヤ全体の端の摩耗は増加することになります。
先端/後端の摩耗は運転していない状態でも起こります。ノコギリ刃のような形の摩耗については、特に異常はなく、運転の快適性には影響はありません。
タイヤの摩耗を均等にするためには、タイヤの位置を定期的に交換することが重要です(車両メーカーが別の方法を推奨している場合を除く)。タイヤの位置については、季節が変わるタイミングには変更しておくことを推奨します。
アライメントに歪みが生じていることの影響が考えられます。長く乗っているとズレが生じます。また縁石に乗り上げたりしても歪みは生じます。
ロープロファイルタイヤの装着で車両の高さを下げると、ホイールの位置合わせに悪影響を与えることもあります。リム幅とオフセットを下げるサスペンションアームの調整は、運転中にタイヤ位置のズレを引き起こす可能性を高めてしまうことになります。この問題は、車軸の測定結果を確認しても気がつかないことが多く、結果として偏った摩耗を増加させていしまいます。
自動車メーカーの推奨するアライメント情報は、新車に適応されるものであり、カスタマイズした車両には適さない場合があります。アライメントが正しくない場合には、その誤差を修正して正しいセッティングを行うことが重要です。
タイヤの偏摩耗には、いくつかのパターンがあります。 最も典型的なものはヒール&トウ摩耗、片側摩耗、センター摩耗、スポット摩耗があり、それぞれ別の原因によって起こります。